2003~2020年度の川崎医科大学衛生学の記録 ➡ その後はウェブ版「雲心月性」です。
日本衛生学会 66巻4号(2011年9月号)

編集後記


今年は,天災に見舞われる本邦です。東日本大震災からの復旧・復興もままならないままに,さらには,原発事故とその後の放射能漏れへの対応も主導すべき政治の混乱(と記していいとも思いますが)もあって,なかなか進んで行かない中で,私の居ります倉敷・岡山には,台風12号が到来しました。大学と最寄駅の山陽本線中庄駅の周囲に拡がる田圃では,用水路があふれ出し,道路も冠水,どこまでが道路なのか田圃なのかわからない状況の上,岡山市では河川の氾濫なども生じました。さらには,今回の台風は,通過していった地域のみならず,全国各地に集中豪雨をもたらし,特に紀伊半島では甚大な被害とともに,多くの犠牲者が出てしまいました。ご冥福をお祈りし,また土砂ダムなどの崩壊の危険の中,避難などを余儀なくされてらっしゃる方々にもお見舞い申し上げます。

10年近く前から,地域々々で,大学コンソーシアムなどが設立され地域を挙げての教育に関連する新規事業の開発や,時代に合わせたIT を用いた遠隔授業などの工夫が進められています。もちろん,個々の組織・団体では,たとえば,自治体の関与や,その地域の経済産業界の関与などもまちまちの様で,コンソーシアム組織の資金なども,つつましく関係大学の会費で賄っているところから,自治体主導でかなりの資金の中で運営されているケースなどもあるように聞いております。岡山県でも「大学コンソーシアム岡山」という県内にある16の4年制大学が集まって,県と岡山経済同友会のサポートの中で(かなりの部分は精神的なサポートですが)2006年度より事業が展開されています。さらに,この大学コンソーシアムを土台にして,岡山理科大学が代表校となった文科省の「大学教育充実のための戦略的大学連携支援プログラム」として2009 年度から本年度いっぱいまでの3 年間,採択された「岡山オルガノンの構築―学士力・社会人基礎力・地域発信力の融合を目指した教育―」という事業が展開されています。「大学コンソーシアム岡山」で実施している単位互換制度は,学生さんが受講したい講義を実施している大学まで出向いて受講するという制度なのですが,「岡山オルガノン」では, 参加15 大学(1大学さんがオルガノンには入ってらっしゃらないですが)をTV会議システムでデジタルに結び,LIVE配信授業あるいはVideo on demand(VOD)授業を展開することによって,新たな教育形態を構築するということをやっております。

大学の役職の関係で,私も「コンソーシアム」も「オルガノン」も所属大学からの担当者・運営委員となって種々の会議にも参加しますし,また,LIVE配信授業も実際の講義担当者として,昨年度も今年度も行いました。ただ,私の所属しております川崎医科大学では,学年制・3 学期制のもとでカリキュラム運営をしています関係で,こちらが配信する授業も,1学期つまり4月最初から6月下旬までの10コマの講義でした。通常の前後期(あるいは春秋期)などで,かつ単位制の場合には,15コマで2単位という授業になっているとのことで,他学の学生さんも,私の授業を取っても1 単位にしかならない,また,参加校の中では,もちろん,それぞれに授業のコマが何時何分から始まって,いつまでかっていうのがまちまちなのですが,この「岡山オルガノン」では,「オルガノン時間」を設定して,できるだけ,参加する大学の学生さんが,その時間帯であれば,他学発のLIVE 配信授業を受けやすくという試みをしているのですが,本学では,他のカリキュラムの関係で,それもままならず,なかなか他学学生には受け入れてもらいにくいスケジュールの中での実施でした。2010年度は「基礎環境医学」,今年度は「個人・社会と医療考」という科目を,本学では2年生の「教養選択 リベラルアーツⅡ」として,また,他学に対しては,いわゆる教養科目としてLIVE配信(もちろん本学内では対面式の授業ですが)しました。本当に,数えるばかりですが,ここ2 年,他学からの受講生もあり,実はモニターで見えている他学の学生さん向けに(ほとんどうちの学生の顔も見ずに)授業をしたりしました。その中で,実は実際の衛生・公衆衛生・予防医学・健康科学といった領域の授業は,本学では4 年生に「医学・医療と社会」ユニットとして実施していますが,正直それは国家試験範囲を90単位で細切れにして,その日その時間帯のコマの中で,その国家試験範囲の細切れの一部を伝達するための時間となってしまっています。ところが,このLIVE 配信授業では,教養科目ということもあって,たとえば,環境汚染とかの話になっても,そこからその時の自分の思いのままに,話を脱線というより発展させたり,授業で使っているPCで,ネットにアクセスして情報を提示したり,と,ある意味,好き勝手というか,その時の気持ちの風の向くままに,授業をすることが出来て,普段にない何かを若者たちに伝授する喜びを覚えてしまいました。

ところが,こういった大学教育GP は,2010 年度には,いわゆる「事業仕分け」で廃止が決定され,なのに,採択当時の補助金は3年間だけど,その後全体で10年は継続する事業を展開するように,という文科省とのある意味契約は生き続けているという状況になっていて,実は次年度から「大学コンソーシアム岡山」が「岡山オルガノン」を吸収継続するにあたって,では事業をどうする,あるいは補助金で賄われていた部分を参加16大学がどのように負担する?っていう部分で,今(少なくともこの編集後記を記している段階で),混迷を極めております。たとえば本学でも,私は遠隔授業を配信する側に立って参加はしていますが,本学の学生諸子は本当にタイトでギチギチのカリキュラムの関係から,他学から配信される科目を受講することはままならず,さらには,単位制ではないので,それを受けたところで,進級その他には無関係って状況なのです。こんな中で,さてどういった形態と事業内容で,今後実施していくかどうか,担当者としてなんだかこの秋も多くの会議に出ないとならない様です・・・・(トホホ)。

秋といえば,本号が発刊されること,知己の方の結婚式に招かれています。とある医学雑誌編集者の新婦さん側(注:中西印刷さんではありません)なのですが,では余興に,お祝いオリジナルソングを作って披露するからエピソードを教えてってことで,新郎さんと一緒に,ダイビングや流星群観察やキャンプなど,またお相手は建築系の方で古い建造物を鑑賞されたりって教えていただきました。曲のタイトルは,ほんとうに「まんま」で「2011.9.25.おめでとう」です。

おめでとうって 誰も彼もが 私たちに 祝福 投げかける ありがとうって 世界の彼方まで
 そして 二人で ひっそり ア イ シ テ ル

   満天の 星空の下 溢れるような 流星に 気付いた想い 
   触れ合う肩に 伝えるぬくもりは かけがえのない ああ ただ一つの誓い
   芽吹いてく 新緑の中 さざめくような 新しい 生命の息吹 
   夜更けになれば キャンプの炎にも 見つめ合ってた ああ 限りない愛情

倖せにって 誰も彼もが 私たちに 笑顔を届けてる いつまでもって 時間の彼方まで
 そして 二人で ひっそり ア イ シ テ ル

   どこまでも 紺碧の海 潜ってみれば 魚たち 戯れるよに 
   時に優しく そして力強く 確かめていた ああ 絶え間ない信頼
   古の 建物の中 数えきれない 人々の 愛の歴史に 
   ささやかだけど それでも揺るぎなく 二人の愛を ああ 刻み込む 今日から

おめでとうって 誰も彼もが 私たちに 祝福 投げかける ありがとうって 世界の彼方まで
 そして 二人で ひっそり ア イ シ テ ル

倖せにって 誰も彼もが 私たちに 笑顔を届けてる いつまでもって 時間の彼方まで
 そして 二人で ひっそり ア イ シ テ ル

ラララ そして 二人で ひっそり ア イ シ テ ル

おめでとうって 誰も彼もが 私たちに 祝福 投げかける ありがとうって 育ててくれた 父と 母に
 そして 二人で アイシテル

(大槻剛巳)